恐怖ダウンロード

☆☆☆

『美紀って最低』


呟いたのは休憩時間の女子トイレだった。


あたしと夢以外には誰もいない。


『ほんと。まさか愛子のことイジメてたなんてねぇ』


夢は鏡で前髪を整えながら言った。


『でも、どこの学校絵もそう言うことってあるよね。誰かがやられる役で、誰かがやる役に、どうしてもなっちゃうんだよ』


夢はどこか冷めた声色だ。


『それはわかってるけどさぁ』


今まであからさまなイジメを目撃したことがないあたしは、どうしても胸にひっかかるものがあった。


あれだけのことをされていて、どうして愛子は黙っているんだろう?


クラスのみんなだって、先生に伝えることくらいできるはずなのに。


もんもんとした気分になっていると、トイレのドアが開いて愛子が入ってきた。


無視してトイレから出ればよかったのだけれど、愛子の頬に光る涙を見てしまい、思わず立ち止まってしまった。


あたしたちは中学から一緒だったんだ。


このまま一言も声をかけずにトイレから出ていいのだろうかと、悩んでしまった。


『あ、あのさ……大丈夫?』


声をかけた瞬間、愛子の涙のダムが決壊してしまった。


次々と涙があふれ出し、嗚咽を漏らしながら泣きじゃくる。


今までこうして泣くこともできなかったのかもしれない。


『ちょ、ちょっと愛子』


夢が困ったように手を差し伸べる。


しかし愛子はその手を握らなかった。


その変わりあたしたちにこう言ったんだ。


『今日の放課後、校舎裏に呼び出されたの。お願い助けて』


と……。