恐怖ダウンロード

「こんなんじゃ展覧会なんて参加できない」


「夢……」


夢がこんなに悩んで苦しんでいるなんて知らなかった。


ノートを次々とめくって行ってみると、すべてのページが黒く塗りつぶされていた。


その中にポツンとたたずんでいる少女や、枯れ木などが描かれている。


「……大丈夫だよ夢。もう、このアプリを消そうとしたりしないから」


あたしは夢の手を握り締めて言った。


キツク握られた夢の両手から、フッと力が抜けていく。


「……いいの?」


アプリを使い続ける。


それが何を意味しているのか、ちゃんと理解しているつもりだった。


今日初めて体に怪我をしたけれど、ちょっとしたかすり傷だ。


気にしなくてもいいようなことだ。


もう、損失のことを怖がって気にするのはやめよう。


夢のために。


「うん、もちろんだよ」


あたしは夢に向けて大きく頷いて見せたのだった。