「愛子のことなんてどうして気にするの?」


「だって……」


そう言われると言葉に詰まってしまう。


愛子はイジメメンバーだし、あたしたちのことを散々バカにしていた。


愛子があの車に乗っていた連中になにをされようが、あたしたちには無関係だ。


「それにしても、これから毎日あの4人に恐怖が降りかかるんだよね」


あたしが黙り込んだことで、夢は話題を変えた。


「そうだね」


アプリでは登録した写真の相手へ何度も恐怖を与えると書いていた。


今日だけでは終わらないということだ。


「楽しみだよね」


フフッと笑い声を上げる夢。


楽しみな気持ちはある。


でも、4人中2人は病院送りになっているのだ。


学校に来るかどうかもわからない。


「なんか暗い顔だね」


夢は運ばれてきたパンケーキをほおばって言った。


「そりゃあね……」


「愛子のこと?」


「それもあるけど、でも……」