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愛子を追いかけて学校の外へ出ると、まだ生徒の姿はまばらだった。


どのクラスでも今日のホームルームは長かったみたいだ。


愛子は足早に自分の家に向かっている。


こっちは追いかけるのが大変なくらいだ。


回りには特に何もないのに、警戒しているのもわかった。


「愛子、足速くない?」


ずっと早足で歩いているせいで夢の息は上がっていた。


あたしもじっとりと汗が滲んできているのがわかった。