恐怖ダウンロード

美紀はどこへ行こうと思っているのか、なにも持たずに階段へと向かっていた。


食堂へ行くなら財布が必要だし、早退するなら鞄を持っていないといけない。


その両方とも持たずに青ざめた顔で歩いている。


「相当参ってるみたいだね」


「本当だね」


あたしたちは小声で会話をしながら美紀の後を追いかけた。


一体どこへ行くつもりなんだろう?


とにかく教室を出て気分を変えたいのだろうか。


そう思っていた時だった。


階段を降りようとした美紀が不意に立ち止まったのだ。


なにかを警戒するように周囲を見回している。


「なんだろう?」


夢の質問にあたしは左右に首を振った。


回りには行きかう生徒の姿しかない。


警戒する必要はないはずだ。


しかし美紀はなにかに怯えたようにかけだしたのだ。


慌てて美紀を追いかける。


その瞬間、美紀が階段を踏み外したのを見た。


「あっ!!」


大きな声を上げても止まらない。


美紀の体は階段に打ちつけられながら落下していく。


周囲の生徒が驚いて声を上げ、美紀にぶつかられないように身をよけた。


美紀の体はそのまま下まで一気に落ちていったのだった。