呆然として新を見つめる。


新はまた笑顔を浮かべた。


そして包丁の柄をしっかりと握りしめる。


「や、やめっ……!」


ズブリ。


再び奥まで差し入れられた包丁に俺は言葉を失う。


そして新は包丁を一気に引き抜いた。


服部に暖かさを感じ、大量の血が流れ出ていることに気がついた。


「お……前」


誰だよ?


そう聞きたかったけれど、声を出す前に崩れおちていた。


視界が歪み、砂嵐が起こったように目の前が見えなくなる。


みんな、気を付けろ。


こいつは新なんかじゃない。


こいつは……死神だ。


そこで、俺の心臓は停止した。