みんなで黙り込んでしまったとき、不意に職員室のドアが開いた。


視線を向けるとそこには新の姿があった。


「うわぁあああ!」


思わず情けない悲鳴を上げてしまう。


怖いものは怖いのだから仕方がない。


入口の近くにいた幹生が腕を掴まれるのを見た。


他のメンバーは咄嗟に逃げ出す。


「ま、待ってくれ!」


俺は足をからませながら逃げだした。


だけど恐怖で思うように走れない。


机や椅子に何度もぶつかり、とうとう床に膝をついてしまった。


赤ん坊がハイハイするように移動する。


顔は涙でグチャグチャになって、もう職員室の出口がどこなのかも見えなくなった。


そんなとき、白いパーテーションが見えて咄嗟にそこに身を隠した。


そこは簡易的な給湯室になっていて、先生たちが普段飲んでいるのであろう、コーヒーの匂いがしている。


「助けてくれ!」


幹生の悲鳴に驚いて身を縮める。