「悪霊?」


結子が首をかしげて聞き返してきた。


俺は頷く。


「あぁ。だって、新は事故死だったろ? なにもわからない間に事故に遭って死んじまったんだ。その魂が悪霊になって今も残っててもおかしくないだろ?」


俺はいたって真剣に伝えた。


非現実的なことが起こっている状況だ。


あり得ない話じゃないと思う。


「そうだとすると、どうにかして新の気持ちを鎮めないと」


幹生が言う。


俺は何度も頷いた。


ゲーム好きな幹生はすぐに理解してくれたみたいで、安心した。


味方が1人でもいるとわかると、強い気持ちになれる。


「そんなの、どうやって鎮めるんだよ」


和樹が聞くが、それには返事ができなかった。


映画やゲームの中では明らかにこれといった原因が提示されている。


イジメとか、計画された事故死だったりとか、


が、今は違った。


仮に計画された事故死だったとしても、俺たちに原因はわからない。