バースデーカード

「新、もしかしてあたしたちのことを怒ってるの? 新抜きで、楽しんでるから……。でも本当は違うんだよ。みんなずっと新のことを思ってた。ただ、悲しむばかりじゃ新も辛いと思って、それでいつもの日常に戻ったんだよ」


若菜が泣きながら説得する。


新は笑顔を浮かべたまま動かない。


「そうだよ新。あたしたちが新のことを忘れるなんてありえないでしょ」


千秋も言う。


その時、新が一歩こちらへ近づいた。


紀一が咄嗟に身構える。


「ずっと友達。そう約束したもんな。それに今日は新の誕生日だ。それで出てきてくれたんだろ?」


そう言ったのは幹生だ。


幹生と新は同じゲームが好きで、よく2人で遊んでいた。


だから、この中じゃ一番の仲良しだ。


新はなにも言わず、また近づいてきた。


ゆらゆらと左右に揺れながら歩いてくる。


あたしはまだ唾を飲み込んだ。


緊張で背中に嫌な汗が流れていく。


「ねぇ、新」


なにも返事をしない新たに千秋が一歩近づく。