バースデーカード

日記の更新ペースは1日に一回。


内容だって今までと大差ない。


だけどコメント量は出版前の数倍に伸びていた。


そのほとんどが本を買いましたとか、感動しましたと言った内容のもの。


前まではコメントを見ると嬉しさを感じていたけれど、今はなんだか胸の奥がモヤモヤした。


この人たちはいい言葉を羅列しているけれど、結局その気持ちが持続するかどうかは本人次第。


明日の朝には忘れてしまっているかもしれないのだ。


そんなつまらないことを考えるようになってしまったのだ。


本を出版するという現実的な作業を体験したせいかもしれない。


どれだけいい本だって、売れなければゴミと同じ。


俺は冷めた目でそう感じるようになっていた。


そして2巻目の発売が決まったとき、両親と新はもちろん喜んでくれた。


でも俺はこれで新に勝てただろうと感じていた。


毎日学校へ行って勉強をしている新にだってできないことを、俺は次々に実現させている。


彼女がいなくても、不健康でも、出版作業をしているときだけは劣等感から逃げることもできた。