バースデーカード

直接会う前に電話である程度の話は聞いていた。


出版に向けての準備とか、スケジュールとかだ。


大池さんは俺の体調も考慮してくれて、普通の作家の倍の時間を俺に使ってくれることになっていた。


本当にありがたい話だ。


『以上が出版までの流れです。なにかわからないことはありますか?』


俺は左右に首を振った。


なにせ人生で初めての経験だ。


なにを質問すればいいのかもわからない。


『では、作業を進める中でわからないところがあれば、遠慮なく相談をしていただくということでいいですか?』


『はい。そうしてもらえると嬉しいです』


それから印税の話や契約書の内容の話に移動していった。


この話題に移るとお母さんの方が食い入るように説明を聞いている。


俺が聞いてもいまいちよくわからないから、ちょうどよかった。


『では、明日より修正作業に入っていただきます。修正用原稿は本日中にお送りします』


『わかりました』