バースデーカード

新とのツーッショットはそれが最後になることになった。


発作が治まったときから、俺の容態は急速に悪くなっていった。


20分体を起こしておくこともままならず、院内散歩になんて出かける余裕はなくなった。


いつ次の発作が起こるかわからず、ひたすらドナーが現れるのを待つしかない状態だ。


体には常にいくつもの管が繋がれていて、身動きするにも邪魔くさい。


自分がどんどん弱っていくのが感じられてから、スマホで日記を付け始めた。


長時間頭を使っていると疲れてしまうから、1日ほんの2、3行の短い日記。


もはや日記とも言えない、ただの呟きかもしれない。


それでも俺でもなにかを続けることができるんだと思いたくて、続けた。


ハンドルネームは旬だ。


《○月×日、晴れ。


今日は少し散歩した。


屋上から見える空はとても青くて、知らない鳥が飛んでた。


気分がいいと思っていたけれど、やっぱり途中でしんどくなった。


でも、ちょっとでも外に出られてよかった。》


《△月×日、くもり。


今日は朝から発作。


なにもできない。


でも日記は続ける。絶対に。》


短い文章の羅列。


だからこそだろうか。


気がつけば沢山の人が俺の日記を見に来るようになってくれていた。