バースデーカード

その笑顔は自然とあふれ出したもので、少しの不純物も感じさせなかった。


『ありがとう。散歩のときに使うよ』


看護師さんに車いすを押してもらいながら、中庭や屋上を散歩する。


週に一度のペースだったし、一日10分程度の散歩だけれど、俺はその時間が好きだった。


『あぁ』


『写真、撮ろう』


ふと思い立って俺から提案した。


新も俺も最近スマホを買ってもらったばかりだ。


『あぁ、いいな』


新は頷いて鞄からスマホと、自撮り用の棒を取り出した。


棒の先にスマホをセットして、新がベッドに近づいた。


すぐ横に新がいる。


ここまで近づいたのは久しぶりのことで少し緊張した。


『いくぞ』


『おぉ』


頷くと新は手元のボタンを操作して撮影をした。


カシャッと小さな音がして画面を確認すると同じ顔が2つ並んで映っていた。


『これちゃんと現像して持ってくるから』


『頼むよ』


そう言った時、とたんに胸が苦しくなった。