バースデーカード

新は俺の姿を見て言葉を失い、そしてうつむいた。


『最近ちょっと食欲なくてさ、痩せたんだ』


俺は笑顔でそういった。


本当は自分が骨と皮だけになっていることはわかっていた。


これでも、点滴で栄養を取るようになってから少しは改善したんだけど。


新はなにも言わずに教科書を取り出した。


『英語の授業が結構難しくなってるんだ。教えてやるよ』


そう言って椅子に座る。


最近はこればっかりだ。


新は見舞いに来ても授業の話ばかりをするようになった。


友達とか、彼女とか、そういった話題を出さないのだ。


『それよりさ、彼女とどうなんだよ? デートしてるんだろ?』


新の腕をつついて聞くと、新はビクリと体をはねさせた。


マジマジと俺の手を見つめているのがわかる。


俺の手は投薬の影響で老人みたいにシワシワになっていたから、それのせいだと思う。


『ごめん、ビビるよなこんな手。あ、そうだ。クラスに可愛い子いるか? 登校したときにイマイチだとガッカリするから教えてくれよ』


新は俺の質問に答えず、うつむいて震えていた。