バースデーカード

俺の入院生活はまた始まった。


完全に自業自得だ。


医者にはこっぴどく叱られたし、両親は泣き崩れていた。


新は今にも泣きそうな顔をしていたけれど、涙は見せなかった。


『これから先は臓器移植も視野に入れましょう。次に発作が起きると危険です』


医者と両親との会話に聞き耳を立てて、自分はほんとうにどうしようもないバカなのだと思い知った。


せっかくもうすぐで小学校卒業だったのに、卒業式に出ることも叶わなかった。


その時先生が昔みたいに寄せ書きを持ってきてくれた。


前回は全く知らない連中からの言葉だとしか思えなかったけれど、今回は違う。


一緒に勉強をしてきた仲間の言葉に、嬉しさと涙がこみ上げた。


一緒に卒業式に出られなかったことを、本当に後悔した。


新はそのまま何事もなく中学に進み、少しだけ人間関係も広がったようだ。


『あのさ……俺、彼女ができた』


新は頬を赤らめて気恥しそうに言ったのは、入学式から一週間後のことだった。


俺は驚き、飲んでいたジュースを吹きこぼしてしまった。


『そんなに驚くことかよ』


仏頂面になって文句を言い、タオルを差し出してくれる。


俺はタオルを受け取りながら『相手誰?』と、質問した。


新の口から出てきた名前は、いつか俺に文句を言ってきたあの女子生徒の名前だった。