バースデーカード

『なにしてんだよ旬!』


新が後ろから声をかけてきても返事はしなかった。


返事をしたら、足が止まってしまいそうだったから。


きっと自分にだってできる。


そんな自信があった。


だって、2年生のころ退院していらい一度も入院していなかったから。


6年生になって教室が最上階の3階になっても、毎日息切れせずに階段を上がることができているから。


相変わらず月1度は通院をしているけれど、その時の検査で先生はニコリと笑って『いい調子だね』と言ってくれたから。


だから、少しくらい大丈夫だ。


その姿を新に見せたかった。


俺のことはもう気にしなくていいからと。


友人が蹴ったボールがちょうど俺の近くに飛んできた。


その時俺は思いっきり走っていた。


ボールに追いつけと。


足が勝手に前に出る。


新がなにか叫んだけれど、それも聞こえてこなかった。


目の前に飛んできたボールを右足で思いっきり蹴り返した。