バースデーカード

隣りの6年2組の生徒で、学年で一番可愛いといわれている子だ。


そんな子がいきなり教室に入ってきて、真っすぐ俺に近づいてきたものだから動揺した。


目を泳がせて『な、なに?』と聞く。


するとその子は大きな目をこちらへ向けた。


『あたし、2年生のころまで新のことが好きだったの』


その言葉に俺はキョトンとしてしまった。


まさか、俺と新を見間違えて告白でもするつもりかと思った。


でも、違った。


女の子は見間違いなんてしていなかった。


『でも、旬が来てから新は変わった』


『え?』


突然の言葉に返す言葉が見つからなかった。


『新はもっと活発で、運動がよくできて、かっこよかった。それなのに、旬が来てから教室にこもるようになって、全然かっこよくなくなった』


言葉がいちいち胸に突き刺さる。


外で遊ぶ子は明るい子。


教室で遊ぶ子は暗い子。


そうやって決めつけてくる大人を連想させた。


だけど女子生徒がいいたことは痛いほど理解できた。


俺だって、新のしたいことをしてほしいと思っていたから。


そしてそれは教室でずっとマンガを読んでいることじゃないと、わかっていたから。