ちなみに、顧問はさっきの先生。
「廃部になってもかまわない」って気持ちが見え見えだから、頼ることもできないし助けてもくれないんだ。

この一か月、一年生ながらにビラ配りやポスターで部員集めもしたけど、成果はなくて困ってる。

「自分たちで、どうにかするしかないよね……」
「……生徒会は?」

 アキの言葉に、目を見開いた。

「ほら、陽菜子がイケボだって言ってた、生徒会長いるじゃん。話聞いてくれないかな」

入学式でトリコになった、あのいい声を思い出す。
月に一度の全校集会、生徒会役員を呼び出す放送。
なかなか聞ける機会は少ないけれど、耳にするたびやっぱり素敵だと思う。

「え、会長でしょ? 無理でしょ。どうやって話すのよ」

「そうだよ~。それに、同じ生徒会なら副会長の川西先輩のほうがよくない? 優しそうだし、イケメンだし」

「ばか。川西先輩なんて人気すぎて近づけないって。会長のほうがマジメそうだし何とかしてくれそう」

「何そのイメージ!」

 こんなふうに、たわいもないことで三人で笑いあって、好きなアニメの話をして、マンガのストーリーを考えて。

わたしは凄く絵が上手なわけじゃないから、思いついた話を二人にイラストにしてもらう。

とても楽しくて、居心地がよくて。そして、わたしにとっては有意義な時間。
そんな場所を、なくしたくない。
でも、具体的にどうしたらいいのか、思いつかずにいたんだけど……。