教えて、春日井くん




許可が下りていないものの、えいっと抱きついてみる。

黒いパーカーは柔軟剤の匂いがした。これはめちゃくちゃグッとくる。



「御上さん……っ、変態」

「ごめん、欲望に勝てない」

「……だいたいいつも思うけど、御上さんの欲望強すぎる」

私は春日井くんを前にすると、欲望に忠実になってしまう。彼の反応一つひとつを目に焼き付けたい。


爪先立ちになって、顔を上げていく。
スンスンッと襟元から首にかけて顔を寄せて匂いを嗅いでみる。春日井くんってすごく好みの匂いだ。


「い、や、あの……く、くすぐったい!」

「ん……春日井くんいい匂い」

「……っ、!」

男の子って汗臭いって兄が昔言っていた。でも春日井くんは汗臭くない。

爽やかでほのかに甘い匂いがして、抱きつくとドキドキもするけれど安心感もある。



それに私は、春日井くんの高い体温が結構好き。
頬を春日井くんの首に寄せると、驚いたのか春日井くんの体が揺れた。







「御上さん……きす、したい」