「変な呼び名すんな。そんなんじゃ、彼氏に振られてもしんないよ」

「そう、それなの。私、振られそう」

「いや、はや! なにをしでかした!」

「なにも! 潔白だよ!…………タブンネ」


春日井くんは私のことが好きだと言ってくれるのに別れたいというのだ。なんて矛盾男!

釣った魚に餌を見せつけて、食べさせないような感じだ。



「綺梨はさー、見た目は清楚なのにギャップが強すぎるから驚くんじゃない?」

「うーん……なんかそれともちょっと違うような気がして」

私がウブ男子好きなことに対してではなく、春日井くんは自分がウブな反応をすることに対し恥ずかしがっているようにも見える。

私としてはそれはウッキウキするほど嬉しいけれど、彼はそれが嫌なのかもしれない。