「御上さんは〝見た目は〟清楚だし、今まで誰とも付き合ってなかったから俺と似合わないってのもあったのかもね」

「今見た目はってところ強調させた?」

「中身は残念な変態だってことは俺だけはわかってるから、安心して」

……残念な変態という言葉が聞こえたのは気のせいだと思いたい。



「今、俺たちがお似合いって言われているのは、タイプは違うけど案外似合ってるって意味だと思うよ」

「なるほど……案外お似合い」

今まで読んだ小説や漫画の内容を思い返してみると、散らかっていた感情が綺麗に整頓されて心が落ち着いてくる。

春日井くんと話して、ようやくお似合いの意味がわかってきた。



「確かに漫画とかだとチャラい男子とウブな初めて女子、チャラい女子とウブな初めて男子って組み合わせも面白いからね」

「ああうん、そういうことでいいやー」

「春日井くん反応が薄い」

「え」

適当に返されたような気がして、むっと口を尖らせる。
こんなんでは、いけない。



「男の子は女の子の初めてに食いつくものじゃないの?」

「御上さん、その顔でそういうぶっとんだ発言はしちゃダメだよ。ね?」

真顔で聞くと、真顔で返された。