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そして更に変化したことは、休み時間に数人の男子に呼び出されるという出来事。
ちょっと派手目な髪色の男子に廊下の端っことか階段付近へ連れて行かれることが、何度もあった。
「御上さんさ、春日井と付き合ってんだよね?」
「はい」
「俺と付き合わない?」
どうして付き合っているのか確認をした後に、自分と付き合わないかと聞いてくるのだろう。
よくわからないけれど、反射的に「ごめんなさい」と返して断っている。
急にこんなことになっている理由がよくわからない。
教室に戻り、釈然としない私に亜未ちゃんが不機嫌そうな表情で「男たちの間で妙な競争が始まってるらしい」と教えてくれた。
「あのチャラい春日井がいけるなら自分の方が誠実だしいけるだろうとか言って、競ってるんだって」
「知らない間にそんなことが……」
「ほんっとくだらない!」
本当よくわからない理屈だ。
私が好きで告白というよりも、落とせたらラッキーくらいの宝くじかなにかに思われているようだった。



