「ねえ、春日井くん」
「んー？」
「この間、一年の女の子に告白されたんだって？」
「あー……うん」
一年の女の子ってことは、私たちが付き合い出してから入学してきた子だ。
つまり春日井くんが遊び人だということを知らず、そして私の彼氏だということはおそらく知っている。
……それって本気で狙ってるよね。遊びたいとかじゃなくて、本気で付き合いたい子に違いない。
「なんて返したの？」
「え？ それは、彼女いるからって」
「ふぅん」
彼女がいるというのは正しいけれど、それでもなんだかおもしろくはない。春日井くんってやっぱりモテる。
噂によると一年のめちゃくちゃ可愛い子らしい。清楚系だと聞いた。
私みたいに中身は変態ではないのなら、春日井くんにとってはそっちの子の方が理想的だったり……なんて考えてしまう。
「しばらく泣かれたけど、最終的には引き下がってくれたよ」
「……そのくらい好きだったんだね」
「だとしても、無理だから仕方ないよ」
春日井くんは「昔の自分だったらいい加減なことを繰り返していたから、中途半端に手を出していたかもしれない」と話す。
でも、と言葉を続けて私を見た。
