「さすがに、今は最後まではしないから」

「……うん」

どこまでの行為が許されるのかが、私にはよくわからない。
春日井くんは空いている手で私の頭を撫でながら、優しく問いかけてくる。


「声、我慢できる?」

「……声?」

「聞かれたらまずいし、それに……俺も色々まずいから声だけは我慢して」

頷くと、春日井くんが軽く頭をぽんぽんと撫でた。そして、耳にキスをされる。


「っ!?」

そのことに驚愕して思わず声が出そうになり、咄嗟に口を押さえた。

触れるだけだったそれが、次第に舌で舐められて食べるように口に含まれる。吐息がかかるたびに甘い痺れが起こり、頭がぼんやりとしていく。


体内からじわじわと熱が膨張していき、視線を落とすと春日井くんの男らしい首筋が見えてしまい視覚的に刺激が強い。

恥ずかしさと、くすぐったい熱、そして春日井くんがその行為を行っているという事実の全てが私にはキャパオーバーになりそうだった。



舌を絡ませるキスとはまた違う快感。私はやっぱり変態なのだろうか。

一般的な感覚がわからないまま、私は甘い刺激に溺れてしまいそうだった。でもこの行為も好きだけど、春日井くんの顔が見たくてたまらない。



「春日井、くん……っ」

「……ん?」

「こっち、きて」

ぐったりとしながらもう片方の手を伸ばすと、春日井くんの指が絡む。

そしてそのまま春日井くんは上にきて、私の頬にキスをしてくる。