「予想外でおもしろいところ」

「どういうこと?」

「内緒」


どうやら話してくれる気はないらしく、強引に聞くのはやめておいた。

キスは確かに、その……ドキドキしたけど、でも付き合うとは話が別だ。


「まあ、今日のところは出直すね」

立ち上がった春日井くんは、なにか思い出したようにして動きを止めた。

そして、意地悪く微笑みを浮かべる。



「飴」

「え?」

「今度は違う味にするよ」


その言葉に、ごくりと息を飲む。

期待なんてしていない。次こそは拒む。


それなのに私はなにも答えられなかった。