「……俺じゃ、ダメなのか?」
それは俺の心からの叫びだった。

俺では華月の涙を取り戻してあげられないのか…?

「殻を破ってあげられるのは零夜さんだけだと思う。
それに華月姉もずっと前から殻を抜け出したいって思ってるはずだ。

…まぁ問題はそのきっかけなんだけどな。」

「…真翔。」

「…ん?」
ベットに寝そべろうとしていた真翔は上体を起こして俺の方を見つめる。