「姉さんが泣いてるとこを見たことがあるか?
…涙を流してるところじゃないぞ。
俺はない。きっと零夜さんの前でも同じだ。多分零夜さんの前で波を流したことはあると思う。
ただ心の底から叫ぶように泣いたことはないんだ。俺がこの家に連れてこられたあの時、あの時以来一度も見てない。
姉さんは誰にも本当の顔を見せたことがないんだよ。
もちろん俺たちの前では心の底から笑うよな?でも泣いたことは無い。
ずっとずっと殻に閉じこもってる。」
涙なら、さっき久しぶりに見た。でもあれは本当の涙じゃないのかもしれない。
確かに涙は溢れていたけれど、華月の表情は一切変わっていなかった。少し恐怖を覚えるほどに、表情を変えずにただないていた。
多分、無理なんだと思う。涙を流すことと感情を表情に表すことを同時に行うことが…
感情を殺すことが癖になってしまった華月は、どうやら泣き方も忘れてしまったようだ。
…涙を流してるところじゃないぞ。
俺はない。きっと零夜さんの前でも同じだ。多分零夜さんの前で波を流したことはあると思う。
ただ心の底から叫ぶように泣いたことはないんだ。俺がこの家に連れてこられたあの時、あの時以来一度も見てない。
姉さんは誰にも本当の顔を見せたことがないんだよ。
もちろん俺たちの前では心の底から笑うよな?でも泣いたことは無い。
ずっとずっと殻に閉じこもってる。」
涙なら、さっき久しぶりに見た。でもあれは本当の涙じゃないのかもしれない。
確かに涙は溢れていたけれど、華月の表情は一切変わっていなかった。少し恐怖を覚えるほどに、表情を変えずにただないていた。
多分、無理なんだと思う。涙を流すことと感情を表情に表すことを同時に行うことが…
感情を殺すことが癖になってしまった華月は、どうやら泣き方も忘れてしまったようだ。



