私の指示通り、十分後には全てのメンバーが集まっていた。

「陽影総長、月城零夜だ。お前らに仲間を紹介する。麗龍に姫を迎えいれる。

今田美来、月姫だ。麗龍だからとか関係なく全力で月姫を守れ。」

零夜がいつもの通り指示をすると、大きな返事が返ってきた。

零夜が信頼される総長になるのは、こうした的確な指示が出せるのも理由の一つだと思う。

「そして今回集まってもらったのには訳がある。最近抗争続きで申し訳ないんだが、三週間後、火神と赤竜が、椿坂高校に攻めてくる。」

そう零夜が言った途端周りがざわついた。無理もないだろう、学校で闘うなんて思ってもみなかったのだから。

「椿坂に通う俺、華月、涼介はもちろん参加する。

今回は月姫、美来にも参加してもらう。だが、彼女は弱い。

皆怪我をしないように守ってやれ。

そして、椿坂に通うメンバーは当たり前だが参加してもらう。

そして他には、美波が応援に駆けつける。その他に、緑ヶ丘高校に通う二十人も応援に駆けつけてもらう。授業中に悪いな。」

「その他、愛佳、広翔は街の見回り、それに応じて湊高校の奴らは見回りに行ってもらう。

今回は椿坂二十五人、緑ヶ丘二十人、幹部四人の約五十人で挑む。

相手は決して強くはない。だからといって気を抜かずに倒しきれ。」

正直この人数で挑むのは初めてだ。

だが、校内の混乱を最小限に抑えるには、この程度の人数が限界だと思う。

今回相手は恐らく三百人程度で来るだろう。

単純計算で一人あたり六人倒せば良いのだから余裕だ。

「何よりも重要なのは見回りだ、怪我人が出ないように努めろ。

抗争前に美波に応急処置の仕方を学んでおくことをすすめる。
万が一何かあれば、愛佳か広翔を呼べばいい。どちらもすぐに駆けつけてくれるだろう。」

「詳しくは参加してもらう奴のみで会議を行うので、その時に話す。

その日の授業は後で幹部が補習するから心配するな。」

「では解散。」

その後続々メンバーが帰っていく中、私たちは幹部のみで会議を始めた。