でも、そんな幸せな日々は長く続かなかった。



俺は気づいていなかった、兄が死なない保証なんてどこにもない。ということに……。


俺が小学五年生だった時、兄が死んだ。

殺された。

麗龍の屋敷に青竜が攻めてきた。

華月のお母さんと華月を守ろうとした俺の兄貴、朝日が殺された。

死んだのは兄貴だけじゃない。華月のお母さんも殺された。

さすがに小学校高学年ともなると、少しずつ華月を女子として意識し始めていたと思うが、でもやはり華月は同志のような存在だった。