『汚ねぇなお前。』
『うわ、臭ぇ!お前風呂はいってるの?』
『やだ〜不潔。』
突然辺りから罵声が聞こえてきた。

私はそれを聞き逃さなかった。
言われていたのは、クラスの地味な男子、飯田健人だ。
元はただの地味陰キャという感じだったが、最近確かに彼からは清潔感が消えた。何故だろう。

「みんなごめん…」
今にも消え入りそうな声で飯田くんは言った。助けなければ、私はそう思った。

気づけば零夜や美来もこちらを向いていた。



『えぇ、ではね、ホームルームをね、始めていきたいと思います、うん。』
突然担任が入ってきて、飯田くんの事情は分からないまま、ホームルームとなってしまった。