「ほらぁ〜!零夜が遅かったからパンケーキ残ってなかったじゃん!酷い〜。」
こんなに楽しみにしてたのにもう全部食べられていたなんて信じられないし、信じたくない。


「あ……」

「あ…じゃないよ!零夜!もう!
せっかく食べられると思ったのにぃ〜!

ふんっ、帰りにパンケーキ食べて帰るからね、決定!給食食べすぎないでよ!」

零夜の奢りで連れていってもらうしかない。

私は少し組員の食欲を舐めすぎていただろうか。

「…はいはい。普段は冷静なくせに、こういうとこだけお子ちゃまだよな、華月って。そういうとこ可愛い。」

零夜は口元を手で押えながら笑っている。
やっぱり零夜には紺のセーターが似合う。

「…とにかく行くからね!」

いつも適当に流されてしまうけれど、今回ばかりは許せない。