いつもだ、いつも目覚めると涙が出ている。
そして毎日毎日同じ夢を見る、あの日の夢だ。



私は忘れられない、きっと一生忘れる日はないだろう。
母親が殺されたあの日のことを、絶対に忘れられない。



あの日から半年間私はずっと眠り続けていた。
何故眠り続けていたのかは、医者にも理解出来なかったそうだ。
それでも私はずっと眠り続けた。

長い長い夢を見ていた気がする。
お母さんと一緒に遊んでいる楽しい夢。

きっとその夢から覚めるのが、どうしようもなく怖かったんだと思う。

だから、私は目覚めなかった。

きっと、零夜が毎日病院に通って、私に話しかけてくれなかったら、私は眠り続けたままだったかもしれない。