『月城朝日 享年十八』

『桐ヶ谷マリア 享年三十』

その日の夜遅くから通夜が行われた。
まさか二人が殺されるなんて、誰も信じられなかった。

血濡れになった遺体は誰も見ていない。
誰も見ることが出来なかった、昨日まで普通に過ごしていた二人の変わり果てた姿を見るのは辛すぎた。

夏希は終始泣いていた。
そして後悔した。
朝日だけを向かわせた自分が許せなかった。



晴風と龍之介は何も話すことが出来なかった。
最愛の息子、妻を亡くしたからだ。

零夜はあの時部屋で倒れてしまった。

変わり果てた兄の姿を見ていることに耐えられなかったのだ。







そして、華月は、あの場所で倒れてから目を覚まさない。

組員達も泣いた。
昨日まで一緒に生活していた朝日やマリアが亡くなったからだ。

誰もが受け入れられなかった。

そして、皆が誓った。絶対に復讐すると。