朝日が殺られたのは一瞬だった。
その一撃は確実に朝日の心臓を突き刺した。
朝日の心臓はすぐに止まり、その場へ倒れ込んだ。
朝日が倒れ込んだ場所から血が溢れ、部屋に血溜まりが出来ていく。
マリアは恐怖で声を出すことすら出来なかった。
自分が死ぬ事への恐怖では無い、華月を守りきれないかもしれないということに対する恐怖だ。
「アルヴェール、なんで私を…?」
やっとの事でマリアは声を出した。
「…そんなの決まってるだろ、お前が俺を捨てたからだ。復讐に来た迄だ。」
朱雨は真っ暗な部屋の中冷たい表情で言い放つと、後ろからマリアを刺した。
マリアは刺される直前、覚悟を決めた。自分が殺されても、華月は守りきる。そう決めていたのだ。
朱雨はマリアと朝日の二人を殺すと、部屋を出ていった。
『マ、ママ?どうしたの?』
マリアの背中からは大量の血が溢れだしている。マリアは自分の命があと僅かであることを悟った。
『華月。ママがいなくても強く生きていくのよ。分かった?そしてちゃんと幸せになりなさい。』
まだ幼かった華月にもこの言葉が何を意味するのかは簡単に理解出来た。
華月は自分の母親の命がもうすぐ尽きることを悟ったのだ。
『……うん!』華月は感情を押し殺して笑った。
華月が感情を殺したのはこの時が初めてだった。感情を殺すのは癖になる。
華月は未だに自分の本当の気持ちを殻に隠したままだ。
『いい子ね、華月。それと華月に言っておかなきゃいけないことがあるの。
この先どんな事があっても、ママとお兄ちゃんを恨まないでね。仕方なかったの……』
華月は何を言われているのかわからなかった。ただ、そばに横たわっている朝日の姿を見て、何となくマリアが言いたいことを想像した。
『…わかった。』
『最期に、あなたに言うわね。あなたの本当の名前。あなたの本当の名前はね……』
『Crystal・Heart』
華月の名前を口にしたあと、マリアは静かに息を引き取った。
その一撃は確実に朝日の心臓を突き刺した。
朝日の心臓はすぐに止まり、その場へ倒れ込んだ。
朝日が倒れ込んだ場所から血が溢れ、部屋に血溜まりが出来ていく。
マリアは恐怖で声を出すことすら出来なかった。
自分が死ぬ事への恐怖では無い、華月を守りきれないかもしれないということに対する恐怖だ。
「アルヴェール、なんで私を…?」
やっとの事でマリアは声を出した。
「…そんなの決まってるだろ、お前が俺を捨てたからだ。復讐に来た迄だ。」
朱雨は真っ暗な部屋の中冷たい表情で言い放つと、後ろからマリアを刺した。
マリアは刺される直前、覚悟を決めた。自分が殺されても、華月は守りきる。そう決めていたのだ。
朱雨はマリアと朝日の二人を殺すと、部屋を出ていった。
『マ、ママ?どうしたの?』
マリアの背中からは大量の血が溢れだしている。マリアは自分の命があと僅かであることを悟った。
『華月。ママがいなくても強く生きていくのよ。分かった?そしてちゃんと幸せになりなさい。』
まだ幼かった華月にもこの言葉が何を意味するのかは簡単に理解出来た。
華月は自分の母親の命がもうすぐ尽きることを悟ったのだ。
『……うん!』華月は感情を押し殺して笑った。
華月が感情を殺したのはこの時が初めてだった。感情を殺すのは癖になる。
華月は未だに自分の本当の気持ちを殻に隠したままだ。
『いい子ね、華月。それと華月に言っておかなきゃいけないことがあるの。
この先どんな事があっても、ママとお兄ちゃんを恨まないでね。仕方なかったの……』
華月は何を言われているのかわからなかった。ただ、そばに横たわっている朝日の姿を見て、何となくマリアが言いたいことを想像した。
『…わかった。』
『最期に、あなたに言うわね。あなたの本当の名前。あなたの本当の名前はね……』
『Crystal・Heart』
華月の名前を口にしたあと、マリアは静かに息を引き取った。



