「……最後は俺かな?」
真翔はもう泣きそうだ。

「………俺は…俺は、実は華月姉の本当の弟じゃない。俺顔が濃いから分からなかったかな?」

真翔の目から涙が溢れる。


「俺は純日本人なんだよ。8年前、お父さんに連れられて、ここに来たんだ。本当はずっと怖かった。いつかバレちゃうんじゃないかって…。

俺は姉さんの弟だから、こうして副総長でいられるわけだし…俺と皆を繋ぐものって俺たちが姉弟ってことだけな気がしてた……」

ああ、真翔。そこまで言わなくても良かったのに。

たとえ血が繋がってなくても、私は真翔のこと弟だと思ってるよ。

それに、真翔が副総長なのは私の弟だからってわけじゃない。
ちゃんと真翔の実力を見てのことなんだよ。


きっと今彼に言っても伝わらないだろうから、これはいつか伝えることにしよう。


「本当は最初のうちに言っておけばよかったよね。

秘密にしなければ、みんな傷つかずに済んだのに、隠したのは私。私はみんなを傷つけた。ごめん。」

「…そんなことない。姉さんはいつもみんなを守ってくれる。だから、

そんなこと思わない。それより早く寝ようぜ。もう俺疲れた…」

「そうだな、もう寝よう。俺が空気壊して悪かった…。また明日な。」広翔はそう言うと、真っ先に部屋から出ていった。