『じゃあ、いつも通り反省会をはじ…「なあ、その前にいいか?」』

突然広翔が口を開く。彼はいつも無口だ。
こうして自分から人の話を遮ってまで話そとするのは珍しい。きっとなにかあったんだろう。


「どうした?今は華月が話してる最中だろ?」慎二は不思議そうに言う。

「いいよ、話し続けて。」





「美波。お前、はっきりしろよ。」
一気に場が凍りついたのをはっきりと肌で感じた。
広翔は一体何を考えている?

「はっきりってどういうこと…?」
美波からは戸惑いが感じられる。



「お前、いつから学校に行ってない?

それにこれ…今日お前らが抗争に行ってる間に見つけたんだよ。
お前これ置いていっただろ。」

広翔はポケットから水色のカードを取りだした。保険証だ。


「…あっ…それは……」
美波の顔から色が消えた。私は全てを察した。



「…なぁ、おかしいと思ってたんだよ。突然抗争になった時、1番遠い学校に通ってるはずのお前が華月達より早く蔵に着くのを。

それに、おかしいだろ、1993年生まれって…。お前26歳ってことだろ?」

「…えっ……。」
みんなは驚いて美波を見る。その中、私と真翔零夜だけが冷静でいる。


「……バレちゃったんだ、ずっと隠してたんだけどな…。」

美波は自分の髪をくるくるといじりながら答える。今にも泣きそうだ。

「…そうだよ、私は26歳。1993年生まれ。高校には通ってない。8年前に卒業してる。」

「なんでそれ、ずっと隠してたの……?」

愛佳は今にも泣きそうな表情で言う。きっと誰より信頼していたはずの美波からこんなことを言われて信じることが出来ないんだろう。