小さい頃からずっと不思議に思っていた。

何故自分の家がこんなにも広いのか。
何故父の周りに強面の男の人がいるのか。
父は何故家にいることが少ないのか。

昨日まで一緒に生活していたはずの、叔父や従兄弟がなぜ突然消えたのか。

真相に気づいたのは、私が小学校低学年の頃だったように思う。自分の家が暴走族・暴力団の家系だということを知った。

当時はそれが何を意味するのか知らなかった無知な私は、学校で酷いを扱いを受けてきた。

理由が分からない私はどうすることも出来ず、ただ泣いていた記憶がある。

普通の家庭に生まれたかったと今更言ったって仕方がない。

世間一般的に見れば暴力団とは反社会勢力であり、決して許される存在ではないとわかっている。

私も自分の存在が世間に受け入れられるとは思っていない。きっと一生胸を張って外を歩くことは叶わない。
 
麗龍だけは違うと伝えたい。
私たちは暴走族と暴力団を地域から撲滅するために存在しており、実際、警察にも認められている。

しかし実際にその実態を正確に把握している人は、この町に何人いるのだろうか。

この短い人生で数え切れないほどの暴言を聞いた。私は生まれてはいけなかった、私の存在は間違いなんだと自分を責めたことも何度もある。

私たちは罪を犯して収入を得ることは決してしない。世間に胸を張って生きていけなくても、せめて人でありたい。そんな麗龍は周りを敵に回し、抗争が起きるのはしょっちゅうだった。

 その度に家族も仲間失った。
この短い人生で一体何人のお葬式に参加したのか、もう数えられない。


死んだ叔父や従兄弟のためにも、私はこの地域から暴走族を撲滅させることを誓った。
絶対に私の代で最大の敵である青竜を潰す。