2時間ほど経った頃蔵の門が空いた音がした。
その音を聞いて私は胸を撫で下ろす。
「ただいま戻りました!」
蔵の扉を開け、皆が続々と帰ってきた。
幹部室から急いで階段をかけおりる。
「総長、終わったぜ。」慎二は今の今まで抗争に行っていたとは思えないほどの余裕ぶりだ。
「よくやった。怪我人は?」
辺りを見渡したが、明らかに怪我をした人は見受けられない。一安心だ。
「かすり傷がある程度だ。」安心しろ、と修也が付け足す。
特攻服から着替えながら、幹部たちが部屋に戻ってくる。
「それは良かった。」
「抗争自体は20分ぐらいで終わったんだよ〜
でもさ〜、行き帰りに時間がかかっちゃってね〜」
抗争後とは思えない程のテンションで愛佳は大声で言っているけど、服には血が着いているのが見える。何人倒したんだろうか。
「相手何人だった?」
幹部達は2階にあがりながら喋る。
「ざっと400人ってとこ?です!
下っ端の奴らは本当にカスで、パンチ1発で気絶ですよ〜倒しがいがねぇわ。」技術が足りていないと感じる守でさえこの感触、相当な格下だったに違いない。
「マジで今回は健二連れてかなくて良かったな。危うく殺人罪で健二が捕まるとこだったわ。
ちなみに力龍の奴らは、さっさと警察に連行して貰ったぜ。」修也は警察と連絡をとっているのか、先程からずっとパソコンと向き合っている。
「拳の強さなら健二に勝てる奴はいねぇもんな。」そういう広翔の拳もなかなかだ。
「そうだね〜。単に強さで見るなら零夜と華月よりも強いね。まぁ健二くんはもっと技術があれば強いんだろうけど…」
こういう時に感じるけれど、一番個々の力を把握しているのは常に冷静な美波だろう。
「なっ……!?」自分でも技術不足を感じているのか、健二は言葉を失っている。
どうやら健二は美波に痛いところをつかれ、何も言い返せないようだ。結局黙り込んでしまっている。
「確かに、健二はまだまだ伸びしろがあるな。
拳の強さは華月にも勝ると思うが、技術がイマイチだ。
なぁ、華月。青竜との抗争前に1回幹部同士で手合わせしてみるのはどうだ?」
零夜はやはり先を見通す力に長けている。
陽影の力なしでは麗龍はここまで成長できなかっただろうと、改めて痛感する。
「それはいい考えだ。精通してる奴同士が、手合わせすれば、お互いの弱点がわかるかもしれないな。」
頷きつつ、私は怪我した族員の処置を始める。
「みんな同居してて良かったよね〜!」愛佳も特攻服から着替えながら楽しそうに話している。
私達麗龍と陽影はそれぞれの屋敷で同居している。
それぞれの組員600人ずつぐらいが、全員同居している。
さすがに組員は個室ではないけど、それでもかなりのスペースを要する。
組員の部屋、幹部の部屋、お父さんの部屋。
1200人収容可能な応接室と、200人ほどが入れる応接室。会議に使う用の10人ほどが入る応接室。
息抜きのためのゲームルームや、バスケやフットサルもできる室内運動場、加えてカフェもある。
お風呂は大浴場で、女湯男湯それぞれ3つずつ用意されている。
それに加えて、かなり大きな蔵がある。
蔵は訓練所、幹部室、総長室、ロビー、シャワー室を兼ね揃えている。
庭も広いしから家の敷地を全部合わせたら相当な広さになると思う。
玄関からは家の端まで見えないほどの広さはある。
ちなみにその屋敷はふたつ並んでいて、麗龍の蔵と陽影の蔵はそれぞれの総長室を通して繋がっている。
実はそれを知っているのは幹部以上の人だけで、しょっちゅう族員が突然の陽影メンバーの登場に驚いている。
その様子が可愛いなと思うけれど、それは私だけの秘密だ。
なんで犯罪もせず、こんなに大きな屋敷が建てられるのか疑問に思うかもしれない。
答えは単純で、私の父桐ヶ谷龍之介は日本一の大企業『CRYSTAL』の社長だからだ。
ちなみに父、桐ヶ谷龍之介は麗龍の15代目総長だ。お父さんは組長になることはなく、そのまま一線を退いた。
その後はお父さんの弟妹、私の従兄弟がなっている。
その音を聞いて私は胸を撫で下ろす。
「ただいま戻りました!」
蔵の扉を開け、皆が続々と帰ってきた。
幹部室から急いで階段をかけおりる。
「総長、終わったぜ。」慎二は今の今まで抗争に行っていたとは思えないほどの余裕ぶりだ。
「よくやった。怪我人は?」
辺りを見渡したが、明らかに怪我をした人は見受けられない。一安心だ。
「かすり傷がある程度だ。」安心しろ、と修也が付け足す。
特攻服から着替えながら、幹部たちが部屋に戻ってくる。
「それは良かった。」
「抗争自体は20分ぐらいで終わったんだよ〜
でもさ〜、行き帰りに時間がかかっちゃってね〜」
抗争後とは思えない程のテンションで愛佳は大声で言っているけど、服には血が着いているのが見える。何人倒したんだろうか。
「相手何人だった?」
幹部達は2階にあがりながら喋る。
「ざっと400人ってとこ?です!
下っ端の奴らは本当にカスで、パンチ1発で気絶ですよ〜倒しがいがねぇわ。」技術が足りていないと感じる守でさえこの感触、相当な格下だったに違いない。
「マジで今回は健二連れてかなくて良かったな。危うく殺人罪で健二が捕まるとこだったわ。
ちなみに力龍の奴らは、さっさと警察に連行して貰ったぜ。」修也は警察と連絡をとっているのか、先程からずっとパソコンと向き合っている。
「拳の強さなら健二に勝てる奴はいねぇもんな。」そういう広翔の拳もなかなかだ。
「そうだね〜。単に強さで見るなら零夜と華月よりも強いね。まぁ健二くんはもっと技術があれば強いんだろうけど…」
こういう時に感じるけれど、一番個々の力を把握しているのは常に冷静な美波だろう。
「なっ……!?」自分でも技術不足を感じているのか、健二は言葉を失っている。
どうやら健二は美波に痛いところをつかれ、何も言い返せないようだ。結局黙り込んでしまっている。
「確かに、健二はまだまだ伸びしろがあるな。
拳の強さは華月にも勝ると思うが、技術がイマイチだ。
なぁ、華月。青竜との抗争前に1回幹部同士で手合わせしてみるのはどうだ?」
零夜はやはり先を見通す力に長けている。
陽影の力なしでは麗龍はここまで成長できなかっただろうと、改めて痛感する。
「それはいい考えだ。精通してる奴同士が、手合わせすれば、お互いの弱点がわかるかもしれないな。」
頷きつつ、私は怪我した族員の処置を始める。
「みんな同居してて良かったよね〜!」愛佳も特攻服から着替えながら楽しそうに話している。
私達麗龍と陽影はそれぞれの屋敷で同居している。
それぞれの組員600人ずつぐらいが、全員同居している。
さすがに組員は個室ではないけど、それでもかなりのスペースを要する。
組員の部屋、幹部の部屋、お父さんの部屋。
1200人収容可能な応接室と、200人ほどが入れる応接室。会議に使う用の10人ほどが入る応接室。
息抜きのためのゲームルームや、バスケやフットサルもできる室内運動場、加えてカフェもある。
お風呂は大浴場で、女湯男湯それぞれ3つずつ用意されている。
それに加えて、かなり大きな蔵がある。
蔵は訓練所、幹部室、総長室、ロビー、シャワー室を兼ね揃えている。
庭も広いしから家の敷地を全部合わせたら相当な広さになると思う。
玄関からは家の端まで見えないほどの広さはある。
ちなみにその屋敷はふたつ並んでいて、麗龍の蔵と陽影の蔵はそれぞれの総長室を通して繋がっている。
実はそれを知っているのは幹部以上の人だけで、しょっちゅう族員が突然の陽影メンバーの登場に驚いている。
その様子が可愛いなと思うけれど、それは私だけの秘密だ。
なんで犯罪もせず、こんなに大きな屋敷が建てられるのか疑問に思うかもしれない。
答えは単純で、私の父桐ヶ谷龍之介は日本一の大企業『CRYSTAL』の社長だからだ。
ちなみに父、桐ヶ谷龍之介は麗龍の15代目総長だ。お父さんは組長になることはなく、そのまま一線を退いた。
その後はお父さんの弟妹、私の従兄弟がなっている。



