「…零夜」
バスで隣に座った私達、こっそりと隣の零夜に話しかける。
「…あぁ、何か変だな。目的地からそれてる。」
零夜も異変を感じたようだ、土地勘がないとはいえ大体の地図は頭に入れている。
私たちの乗るバスは確実に目的地からそれている。
もっとも、私たち以外の誰もその様子には気づいていないようだが。
「……もしかして、だが可能性はあるよな」
零夜は運転手と私を交互に見る。可能性、というのは麗龍や陽影の名を知らぬ地方の族が抗争を仕掛けてくる、ということだ。
私たちがそんな緊張状態にあるとは知らずに、みんなはすっかり浮かれたテンションで談笑を続けている。
「…有り得る。このまま下手に抵抗すれば、バスの横転も有り得る、おそらくこのままどこかの倉庫か何かにぶち込まれるだろうが、それは不可抗力だな。」
これから楽しい場所に向かうには不適切すぎる表情の私たちだが、今はそんなことは気にしていられない。
それにしても零夜はこのバスを走らせたまま敵を倒すつもりだったのか、物騒すぎて思わず笑みすらこぼれてくる。
「みんながトラウマにならないといいけど…それに、今回ばかりは私、正体がバレるかも。」
「…あぁ、最低限の露出で済まそう。まだバレるには時期尚早すぎる。」
キィイイ…音を立ててバスが止まった。
着いたのは古びた倉庫、その廃れ具合からその族の強さが見て取れる。
これなら一人でもいけそうだ。
「え、何?ここどこ?」
全員が辺りを見回している、その様子から不安なことがひしひしと伝わってきた・
「運転手さん?何してるんすか?」
羽鳥や佐々木はどうやら不審に思っているようだ、もうすぐくる、私たちは襲われる。
「…ははっ、俺らが本当に沖縄観光の職員かと思ったか?…意外とちょろいんだな?」
敵は気色の悪い笑みを浮かべた。
性根から腐ったやつの笑顔、とはこういうものなのかもしれない。
「どういうことだよ!」
喧嘩っぱやい羽鳥は早速運転手につっかかる。危ない、このままでは羽鳥がやられかねない。
「まあ本州のやつらだもんな、無理もない…俺らは海竜、沖縄一の暴走族だ」
思わず吹き出しそうになってしまった。
たかが沖縄一が全国一に抗争を仕掛けるなんて、馬鹿にも程がある。
だがここで笑ってはいけない、感情を殺せ。
「…は?」
さっきまで威勢の良かった羽鳥からも笑みが消えた。周りの女子は震えている。
唯一健人だけが私たちの強さを確信し、かろうじて正気を保っている、といったところだろうか。
「…さぁ、お前ら全員倉庫へ歩け!」
いかつい男にそう言われた私たちは仕方なく倉庫へ向かうことにした。みんな震えていた、早く私が助けなければ。
バスで隣に座った私達、こっそりと隣の零夜に話しかける。
「…あぁ、何か変だな。目的地からそれてる。」
零夜も異変を感じたようだ、土地勘がないとはいえ大体の地図は頭に入れている。
私たちの乗るバスは確実に目的地からそれている。
もっとも、私たち以外の誰もその様子には気づいていないようだが。
「……もしかして、だが可能性はあるよな」
零夜は運転手と私を交互に見る。可能性、というのは麗龍や陽影の名を知らぬ地方の族が抗争を仕掛けてくる、ということだ。
私たちがそんな緊張状態にあるとは知らずに、みんなはすっかり浮かれたテンションで談笑を続けている。
「…有り得る。このまま下手に抵抗すれば、バスの横転も有り得る、おそらくこのままどこかの倉庫か何かにぶち込まれるだろうが、それは不可抗力だな。」
これから楽しい場所に向かうには不適切すぎる表情の私たちだが、今はそんなことは気にしていられない。
それにしても零夜はこのバスを走らせたまま敵を倒すつもりだったのか、物騒すぎて思わず笑みすらこぼれてくる。
「みんながトラウマにならないといいけど…それに、今回ばかりは私、正体がバレるかも。」
「…あぁ、最低限の露出で済まそう。まだバレるには時期尚早すぎる。」
キィイイ…音を立ててバスが止まった。
着いたのは古びた倉庫、その廃れ具合からその族の強さが見て取れる。
これなら一人でもいけそうだ。
「え、何?ここどこ?」
全員が辺りを見回している、その様子から不安なことがひしひしと伝わってきた・
「運転手さん?何してるんすか?」
羽鳥や佐々木はどうやら不審に思っているようだ、もうすぐくる、私たちは襲われる。
「…ははっ、俺らが本当に沖縄観光の職員かと思ったか?…意外とちょろいんだな?」
敵は気色の悪い笑みを浮かべた。
性根から腐ったやつの笑顔、とはこういうものなのかもしれない。
「どういうことだよ!」
喧嘩っぱやい羽鳥は早速運転手につっかかる。危ない、このままでは羽鳥がやられかねない。
「まあ本州のやつらだもんな、無理もない…俺らは海竜、沖縄一の暴走族だ」
思わず吹き出しそうになってしまった。
たかが沖縄一が全国一に抗争を仕掛けるなんて、馬鹿にも程がある。
だがここで笑ってはいけない、感情を殺せ。
「…は?」
さっきまで威勢の良かった羽鳥からも笑みが消えた。周りの女子は震えている。
唯一健人だけが私たちの強さを確信し、かろうじて正気を保っている、といったところだろうか。
「…さぁ、お前ら全員倉庫へ歩け!」
いかつい男にそう言われた私たちは仕方なく倉庫へ向かうことにした。みんな震えていた、早く私が助けなければ。



