「…あの〜、さっきから何を話してるの?」
そう話しかけて来たのは佐藤さん。
大人しい性格だからなのか声をほとんど聞いたことがない。

「あ、ごめん。何でもない。」

「班どうする?って話してて…」

「あ〜、班ね?とりあえず私は零夜とは一緒の班にさせてもらうね、まだ体調戻らないし。
あとは、健人!健人も同じ班がいい。」

「…私もその班入っていいかな?今ここにいるのがあと3人なんだけど、あと男子ひとり……」

その場にいたのはバスケ部の吉田くん、委員長の佐々木くん。
そしてもう一人大人しそうな鈴木さん。女子は三人、男子五人という構成になるらしい。
他のところにほぼ女子のグループがあったからその影響もあるだろうか。

「…あと一人ね……羽鳥、羽鳥にしよう。ねえ、羽鳥!」

「なんだよ桐ヶ谷〜!」
少し離れたところで友達と談笑していた羽鳥。
まだ班が決まっていないのに随分と余裕そうだ。

「どうせ班決まってないでしょ、入ったら?」
正直健人に冷たい態度をとる羽鳥にあんまりいい感情は抱いていない。

「え、まあ決まってねぇけど。じゃあ入るわ。」
なぜいつも謎に上から目線なのかが気になるけど、そこは気にしないでおこう。

こうして無事に班は決まったけれど、このメンバーで大丈夫なのかという不安はやはり拭いきれない。



そしてその不安は見事に的中するのだった。