「う、心臓が口から出そう。あぁ………。」
今は校門前に零夜と健人と三人でいるのだけれど、イメチェン後初の登校なので健人はありえないほど緊張している。

「私たちがいるからって何度も言ったでしょ。」

「そうだ、今は俺は使い物にならねぇけど、何か言ってくる奴は全員華月が倒すからな。」

「え、何、私の担当なの?」

「え、そうだろ?」
なんて当然のように言うから私は笑ってしまう。


「そういえば、健人。厨房のみんなに、今月からお肉多めのメニューにするように言ってくれる?筋肉をつけさせたくてさ。」

「了解!そしたらデザートに少しプロテイン混ぜようか?」

「それいいね!そのデザートのレシピ陽影にも教えてあげて!いい情報は共有しないとね!」

「お!華月、健人ありがとな。助かる。」

「私的には、陽影と麗龍の交流が気になるんだよね…。
やっぱり抗争前にもっと仲良くなった方がいいよねって思って。」

「確かにそれはあるよね。」

「お菓子パーティーなんでどう?…お気楽すぎ?考え方が幼稚?」
またまた不安そうに発言する健人。やっぱり自己肯定感は低いのか。

「…それだ!!!」

「健人天才かよ〜!」

「…あ、そう?なら良かった……。
じゃあ早速お菓子作り頑張らなきゃだな!」
と突然やる気を出す健人。忙しそうだな…。


もう教室の前に辿り着いたのだけれど、今のところ誰も気づく気配はない。