「…可愛い。今日はやけに積極的だな。」
私はさっきの自分の発言を後悔した。
零夜は、煽られるとスイッチが入ってしまうタイプの人間だ。

決して零夜を煽ったわけでは無いけど、自分の気持ちに正直になった結果、煽ってしまったのだったらそれは仕方ないということにしておこう。

零夜は私の体を向き直させ、向き合うような体勢になる。
零夜に腰を引き寄せられ、気付いたら、私の体は零夜の膝の上だ。

「…くっつきすぎて恥ずかしい。」
自分から言ったくせに、今更とんでもなく恥ずかしくなってきて、今すぐこの場から離れたい気分だ。

「今更言っても遅せぇよ。」
その零夜の発言に返事をする間もないまま、零夜に唇を塞がれた。

今度のキスはもっと深くて激しいキス。
息をする暇もないほど激しくて、呼吸が苦しくなる。


「…んぅっ…」苦しくて思わず声が漏れる。
その私の声にさらにスイッチが入ったのか、もう息ができないほど激しく求められる。

頭がぼーっとしてくるけど、でもやっぱり幸せだ。

更には私を布団に押し倒し、頭を撫でながらもずっとキスをしてくる零夜。
全ての動作が色っぽくて、私はもう何をどうすることも出来ない。

すると突然私から離れる零夜。何かと思ったら、今度は首に温かいものが触れた。

私の首元に顔を埋め、首に激しいキスをする零夜。これだけ密着しているせいか、零夜の匂いがして、それがさらに私のドキドキを加速させる。

結局は私の服を脱がせようとしてきて、そこで私がストップをかけるのだけれど……

「ちょっと待って、それ以上はダメ。」零夜の体を優しく押し返し、布団に座り直す私。

「……。」さっきまであんなに大人の色気を放っていた零夜だが、今ではすっかり子犬のようだ。

「その顔は反則…許しちゃうじゃん。」

「…じゃあ続きしていいの?」
そしたら先程とは打って変わって大人の表情になる零夜。
これだからドキドキが止まらない。

「今日はダメ。でも代わりにいいもの見せてあげる。」
そういうと零夜に背を向け、来ていたTシャツを脱ぐ。