手術室から医者が出て来る。

「先生!零夜は……!?」夏希さんと晴風さんが駆け寄り尋ねる。

『手術は成功です。しかし予断を許さない状況で、目を覚ますまではなんとも言えません。』

泣き崩れた夏希さんに構わず、ストレッチャーに横たわった零夜が、VIP病室に運ばれた。

医者でもなんでもない私には、祈ることしか出来なかった。
祈ることが精一杯だけど、精一杯目を覚めすように祈る。