「華月ちゃん、華月ちゃんの気持ちはよく分かる。私は月城家の嫁。晴風と結婚せず、普通の女として生きていくことだってできた。

それなのになんで私はわざわざ極道の男と結婚したと思う?

それは晴風を愛しているからよ。

今は一線を退いたとはいえ、晴風だっていつ死ぬか分からないわ。

それでも私たちは日々愛し合っている。

死ぬ瞬間までお互いと一緒にいたいからよ。

一緒にいたい、愛する理由はそれだけで十分なんじゃないかな?」

涙が溢れた。あれほどまでに望んでいた涙が頬を伝うのを感じる。