結局、あの日以来私と零夜は会話することは無かった。
正しく言うなら、私が拒絶した。
今は距離を置くべきだと判断したからだ。
抗争前に総長が何をやっているんだと言われてしまったら私は何も言い返せない。
だけど、私にとってあの告白は重かった。
本当は涙が出るほど嬉しかった、世界で一番愛してる人から想いを告白されたから。
でもそれと同時に耐え難いほどの恐怖に襲われた。
その愛してる人を失ったら?
また、お母さんみたいに私の元を去ったら?
愛し合ったせいで亀裂が生まれたら?
幾つもの想いが私の中を駆け巡り、私の頭は真っ白になった。
でも結局私が出す結論は決まっている。
誰とも恋愛はしない。
いや、違う…出来ないんだ。
もうあの時から泣き方が分からない、感情をむき出しにする方法がわからない。
そんな私に恋愛は出来ないのかもしれない…。