「本当に来て下さるなんて・・すみません。わがまま言って・・」


お母さんは、先生にお茶を出しながら申し訳なさそうな顔をする。


「あんたさぁ、直と付き合ってんの?」


いきなりの直球の質問に、誰もが唖然とした。


時計の針の音だけが響いていた。


「ちょ・・ちょっと!!!!お姉ちゃんのバカ!!」


「だって・・あんた先生の携帯知ってるんでしょ?今日先生が来たってことは。」


やられた・・

そういうことか・・


「私も、まさかとは思ったんだけど。ちょうどいいじゃん。お父さんに挨拶でもしたら?」


お姉ちゃんはそれだけ言うと自分の部屋に戻っていった。



気まずい沈黙が流れた。


先生は、チラっと私を見て、「いいのか?」と聞いた。


私は、黙って頷いた。