黙ったまま先生は私の頭の上に顔を乗せた。

力強いけれど、とても優しい先生の腕。

抱きしめられているうちに、2人の鼓動が重なった。

先生の心臓の音が私の心臓の音と重なるのがわかった。


先生も、ドキドキしてる・・・


「もう・・・どうしていいかわかんねぇ・・俺・・・」

先生の顔を見上げようとしたけど、私の頭は先生に固定されたまま動くことができない。


「先生・・?」


「俺・・・自分よりお前が大事・・」


自分よりお前が大事・・・?

そんなセリフを言われる女の子は、この世にそんなにいないんじゃないかな・・


今、先生どんな顔してる・・?


抱きしめるその腕は、私に安らぎをくれる。


先生の胸の中にいるから・・顔見えないや・・


だけど、先生の心臓の音・・・よく聞こえる。



「・・矢沢・・・好きだ・・」





信じられない言葉が先生の口から・・


私・・・・・


体中が熱くなって、身動き取れない。



「せんせ・・今・・なんて・・?」




「ん?聞きたい?」



先生は、抱きしめる腕の力を少し緩めて笑った。


「・・好きだよ。」

先生は今度はとても甘い声で、ゆっくりと言ってくれた。


「先生・・!!!私も先生が大好き。大好き・・・」


やっと言えた。


ずっと我慢してた『好き』



好き。

好き。


先生が大好き。