「いつまでも、今が続けばいいのにね。」

ゆかりがベンチに背中をくっつけて空を見上げた。

みんな同じ姿勢で空を見た。



中庭の池の噴水の音が


とても心地よい。



男子の騒ぐ声も

今はなぜか かわいく思える。


見上げた空は

真っ青で

雲ひとつない快晴。


この空のように

私達は

まだなんにもない。



自信とか

夢とか

希望とか


まだ


よくわからない。




大人になるってどういうことか


卒業するってどういうことか


一人で決めることの不安さも

自由の 不自由さも・・



まだ



よくわかんないんだ。