その指が


だんだん上に上がってくる・・




先生のばかぁ・・


私の右耳に触れた先生は

耳の中に指を入れてくる。



先生・・・さすが・・・先生だよ・・



私の体全部知っちゃってるもんね・・


耳の弱い私のコトも。




その指を静かに私の右手で静止する。


先生の手は


私の頭の上に乗せられ、


なでなで・・


してくれた。



腰を上げて先生を見る。

先生はまた眠そうにあくびをして、

私を見て微笑んだ。



私は、窓の外の薄暗い空をただ眺めてた。


先生の指・・


まだ 体は覚えてる。


体が一斉に反応した。


求めてる人の手だと 体が 察知して



『大変だ大変だ・・先生の手だ』

『先生の指が触れたぞ!!』

『先生が耳に指を入れたぞ!』


体中の細胞達が忙しそうに動き始めた。



先生・・・


どんな気持ちで


先生は眠ってるの?