小さな紙。


そこに書かれてあったのは


『マフラーありがとな。一生大事にする。俺はいつまでも待ってるから』


先生の字。


丁寧に書くととても綺麗な先生の字。


男っぽいかっこいい字。




先生・・・だめだよぅ。


待ってちゃだめだよ。


先生が前に進む為に、別れたんだよ?



先生・・・


嬉しくて嬉しくて


仕方ないけど・・・



これじゃ、別れた意味がないよ。




その手紙を手帳の中に大事に大事に入れた。



待ってるのは・・・私の方だよ、先生。


先生が、新しい道へ進んで


悩んだり困ったとき、私はいつでも支えになるから。



先生は、新たな一歩を踏み出さないとだめなんだよ!




その夜、突然降り出した雨のせいで


月がほとんど見えなかった。